ヘルタースケルター岡崎京子

岡崎京子が交通事故に遭う直前に、この『ヘルター
スケルター』は雑誌での連載を終了した。
その後7年間、単行本化を待たれていた幻の作品。
現在は体調もだいぶ戻って、この本にも目を通したそうだ。

全編を通じて、主人公りりこの、崩壊の予感を感じながら
疾走するスピード感がすごい。
こういう勢いのある物語を久しぶりに読んだ気がする。
しかしどうしてもりりこが、もりたゆうこ作
『恋の奇跡』の雪乃に見えて仕方なかった。
いくつかのエピソードもかぶってるし…。ううむ。

それはそれとして、私も中学生位の頃は、
かつてのイーディーみたいに、若くてキレイで、
その時代だけを駆け抜けるように
生きて、最後は堕ちて死んでしまう。
そんな生き方が格好良いなあなんて思っていたような
気がする。

けれど今は、どうせなら生きて戦い続ける！
どんな世界でも！と思っている私は、りりこが最後生きてて、
なんだかホッとした。嬉しかった。
やっぱり生きなくては、どんなに辛くても。
という気分だった。